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半兵ヱ TOP PAGE >> 昭和の思ひ出 >> 第3話 「土曜日」

昭和の思ひ出
昭和のお話
第3話 「土曜日」

 本日のお題は「土曜日」でございます。昭和の時代、土曜日の小学校は半ドンと申しましてお昼で授業が終わるのでございました。土曜日は給食が無く「牛乳」と「肝油」と呼ばれる鳥目を防ぐビタミンA豊富な軟らかいドロップだけでした。小生が低学年の頃、牛乳は瓶でございました。しかし、高学年になると紙でできた三角パックに変わりました。昭和の紙パック牛乳は何故三角形だったのでしょうか。三角パックにはどんな意味があるのでしょうか。現在、販売されております紙パックの牛乳は四角形でございます。三角の形をした牛乳は小生にとって昭和の謎のひとつでございます。
 牛乳には「ミルメーク」と申します粉が付いてくることがございました。この粉を牛乳に入れてかき回すと白い牛乳がイチゴ味やコーヒー味に変化するのです。ミルメークが登場した頃、牛乳はまだ瓶の時代でございました。そしてミルメークはストローでかき回すのでございます。しかし、このストローが短くて、皆さん指まで牛乳に入れて混ぜておりました。牛乳と申しますと、小生が好きだった女の子が牛乳を飲んだ後、口と鼻の間に白いヒゲを生やされていたことがございました。小生には理解ができずに、しばし目が点になっていた記憶がございます。結構前になるかと思いますがタレントの森田一義氏がテレビジョンで同様の経験をお話されておりました。同じ様な境遇に遭遇することがあるものなのだなあと思いました。
 また、牛乳の思い出と致しましては、友達が牛乳を飲んだときに、おかしなことを言ったり、おかしな顔をしたりして笑わせるということが流行りました。小生は笑わせるのが大変得意でございまして、いつも先生に怒られておりました。しかし、笑わせても怒られなかった時が一度だけございました。何を言ったのか覚えておりませんが、小生の一言に先生が牛乳を噴出されてしまったのです。小生は真っ青でございます。しかし、何故か先生はお怒りになられませんでした。
 土曜日はワクワク致します。学校が半ドンで終わることもありますが、次の日が日曜日であることの方が理由としては大きいと思います。土曜日の午後から日曜日まで1日半も自由な時間を連続で持てるのでございます。小生はまったく勉強などしませんでしたので、この貴重な時間を全て遊びに費やしておりました。
 昭和の時代、酒屋さんは醤油やビール、日本酒、ジュースなどの空瓶を持っていくと、それを換金して下さいました。たっぷりと時間がある土曜日にはよく空瓶拾いに興じておりました。学校から帰り、空き地などに空瓶を探しにいきます。しかし、そう簡単に見つかるものではございません。夕方までかかってやっと数本見つかる程度でございました。暗くなってから、それを酒屋さんに持っていき日曜日の軍資金とするのでございました。
 土曜日はこのように遊べる時間が多い分、普段できない遊びができたのでございました。随分と遠くへと遊びに行ったこともございます。隣町に行ったりもしました。そこには隣町の見たこともない子供達がいます。小生達はよそ者でございます。ジロジロと見られるのでございます。タイミングがよければ仲間となり一緒に遊ぶのでございますが、喧嘩になることもございました。最初のうちは、お互いジロジロと睨みあっております。それでも睨めっこが続きますと、
「お前ら、誰だ!」となるのでございます。
「○○小学校だ!」
「何でここにいるんだ!」
「どこにいてもいいじゃないか!」
「ここは△△小学校の広場だ!」
「広場は皆のものだ!誰がそんなこときめたんだ!」
「なんだとー!」
こんな具合でございます。
 味方の中にとんでもなく強い仲間や、年長者などがいたらこちらは強気でございます。また、人数が多いときも強気でございました。しかし、そうでないときは言葉に迫力がありません。ただでさえ敵陣で勝負をしている不利な環境の上に、人数も少なく、頼れる人もいない、まして相手が年上だったりしたら・・。逃げ腰になりながら「広場は皆のものだ・・誰がそんなこと決めたんだ・・」とか細い声でいうことになります。相手はその様子を見逃しません。強い奴がいないと分かれば一気に攻め寄ってきます。また運が悪いときは、相手の仲間がどんどん増えるのでございます。最初は5対3くらいでこちらが優勢だったのが、いつの間にか5対20くらいになっている時がございます。そんなときはタイミングをみて一目散に逃げ帰るのでございます。
 小生、足だけはとても速かったのでございます。父親の仕事の関係で転校を繰り返していた小生は、どこの学校へ行っても学年で1番か2番でございました。つまり、そんな小生はいつも逃げ足だけは速かったのでございます。
 ある土曜日の午後、友達と2人で知らない町に遊びに行ったときのことでございます。よそ者である小生達は地元の子供達にジロジロと見られております。相手の人数は確か7,8人だったと思います。しかも全員でかい。明らかに年長者でございます。これはもう完全な負けパターンでございます。小生達は睨みあうこともなくコソコソとしております。やがて声をかけられました。「どこの小学校だ!」
 2人は目配せをして猛ダッシュ!「こら、待てー!」という声が後ろから聞こえます。足が速い小生には上級生でもおいつけません。しかし、百メートルくらい走ったあたりで隣をみたら、友達がいない。振り返ってみると、情けないことに転んでいたのでございます。そして、我々からみてヨソ者でございます上級生達にとり囲まれておりました。「どうしようか・・」助けてやらなければという正義感と、怖いという恐怖感。いわゆる天使と悪魔の葛藤でございます。
 「コラー!先生が来るぞー!」。小生は大声で叫びながら走っておりました。ヨソ者の前に行き「今、先生がこっちに来るぞ!」と嘘を浴びせました。卑怯でございます。しかし、ヨソ者の上級生達は一瞬ひるみました。そこへすかさず「ボクのおとうさんは警察官だぞ!」。更に卑怯な嘘の言葉を浴びせます。ヨソ者はもっとひるみました。そこで「おい、こっちへ来い!」と友達を引き寄せ。「今日のところは許してやる」という様な態度で歩いて(ただし早歩き)その場を立ち去りました。ところが20メートルもしないうちに「おい!待て!」と聞こえたので、一気に駆け出しました。
 今度は2人で脱出に成功致しました。振り返ってみると、ヨソ者達はあきらめておりますが、卑怯なことに石を投げつけてきています。しかし、遠くて届きはしません。「お前ら卑怯だぞー!」卑怯者の小生は叫んでおりました。もう追いつかない確信があるから強気でございます。「バーカ、カーバ、チン問屋、お前の母さん出べそ!」とも叫んでおりました。やはり小生の方が卑怯でございました。
 「バーカ、カーバ、チン問屋、お前の母さん出べそ!」とは昭和の子供達がよく使っていた言葉でございました。喧嘩をした時などに相手をけなす言葉として利用されておりました。そして、小生もよく使っておりました。自分の姉と喧嘩をしたときに・・(汗)。しかし、最近もっと驚いたことがございました。小生の妻が自分の子供と悪ふざけをしていたときのことでございます。やはり昭和生まれの妻は子供とじゃれ合いながら、なんと自分の子供にこの言葉を発していたのでございます(汗×2)。

 さて、本日のお飲み物は「ミルメークカクテール」でございます。なんと嬉しいことに、あの懐かしいミルメークはまだ発売されているのでございます。半兵ヱにはミルメークを利用しミルクをベースにしたカクテールメニューがございます。それがミルメークカクテールでございます。お味は「コーヒー味」と「イチゴ味」の2種類。そして、これが結構美味しいのでございます。勿論、指でかき混ぜなくても良いように、長いマドラーをお付けしておりますので、機会がございましたら是非お試し下さい。ただし、くれぐれもご婦人のお方はお口元の産毛をお剃り忘れのないように。 

ヒーローになれなかった少年
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